4.ドローダウンの調整が命綱

ここでは当サイト管理人の投資に関する考え方を紹介しています。今回はリスク管理の考え方です。

わからない時はドローダウンに注目する

資産価値が上昇すると思うものが見つかっても、それに投資するだけでは勝てません。

今後マーケットが強気になるのか、それとも弱気のままリセッションとなるかは、わからない。わからないときはいくら考えてもあまり意味はないです。そもそも自分がさざ波のような相場の浮き沈みを読めると思ってはいけない。

そんな時、改めて保有資産のドローダウンに注目します。それが理論的に形になったものが、ポートフォリオです。

勝率6割でも投資家は退場できる

この話は投資の初心者さんほどわからないです。
ペイオフレシオ(リスクリワード)1:1とした際、勝率6割なら負けることはないと普通は考えます。しかし現実は違います。

ある実験によれば上記の条件で、勝てば2倍、負ければ掛け金没収、掛け金は自由、というゲームをすると、ほとんどの人は破産します。

原因は統計学的な連敗確率や標準偏差などを考慮せず、一度にかける金額を誤り、連敗によって退場に至るからです。つまり価値が上昇するものがわかっても、それだけでは勝てないんです。

しかも、ゲームなら破産するまで正しいと知っている方法を続けられますが、リアルではそうはいかない。普通、50%も下落すれば自分が間違っていると考え始めます。そして例え将来増やせるやり方でも、そのやり方を変えてしまう。

この結果、いつまでたっても正しい運用を続けることができない。

ドローダウンを無視した利益は無意味

最終的に勝てる運用でも、勝ったり負けたりしている間に連敗して一時的に評価額が落ち込むことはやむを得ません。その落ち込みをドローダウンと言います。

最大ドローダウンを調整するということは、利益をいかに伸ばすかより、何倍も重要なことで、はっきりいってドローダウンを無視していいなら、元本に対していくら増やせたか、すなわちプロフィットファクターなんていくらでも大きくできます。

コインの表と裏でポジションを決め、勝てば全額づつ賭けていけば、まぐれでプロフィットファクターは激増するときがきます。しかしもちろん、ドローダウンでほとんど死にますね。

極端に言えばこんなあり得ないことを、実際は多くの人がやっています。そしてよくある情報商材や投資の勧誘話などは、この次元のことを言ってることが多いです。

ポートフォリオでドローダウンを20%以内に

連敗によるドローダウンの考え方を最初に書きましたが、長期投資するならそれを標準偏差に置き換えます。

ここで登場するのがポートフォリオです。つまり株やゴールド、米債などを組み合わせ、ドローダウンが存続可能な範囲になるように調整します。

私は、通常はマイナス20%ぐらいでドローダウンを抑えるのがいいとおもっています。

しかし株はマイナス50%は落ちて当たり前だとおもっています。この数値は、過去の世界各国の銀行危機後の株価の平均下落幅が、マイナス55%なことを参考にしています。

矛盾してると思いますか?
いえいえ実現可能です。

ではマイナス50%下落する株式で、ドローダウンを20%にするにはどうしたらいいか↓

100万円最大で運用できるとしたら、株を40万円だけ保有しておけば、50%下落しても、20万なので、最大ドローダウンは全体の100万に対しマイナス20%で済むわけです。

これがポートフォリオの力です。

組み入れを現金にするか、ゴールドや米債にするかは色々ですが、ともかく弾力性を持たせリターンも抑えてしまうが、ドローダウンを抑えることで、継続させ利益を最大にするわけです。

負けは同じだけ勝っても戻せない

マイナス50%になると、もどすのにプラス100%が必要ですが、マイナス20%なら、プラス25%で元に戻る。下落分を取り戻すには、下落率と同じ上昇率だけでは戻らない。この辺も考慮したいですね。

個別株の場合はさらにシビア

個別株はさらに統計的な連敗確率を考慮しなくてはいけない。例えば勝率50%なら、5連敗する確率は32分の1。10連敗の確率は1024分の1だ。

もし一度の負けが、資産の20%にも及ぶようだと、長く続けていれば20%を5回やられて、必然的に壊滅するのがもう決まっている。

デイトレやFXなどの投機なんか、毎日やってれば1000回なんて一瞬で達成するので、一度の負けは、2%に押さえていないと危ない。

先が読めない時こそどっしり構える

今は、不確実性が高まりすぎています。これからの世界経済も労働人口の減少などで今までのような成長しないかもしれません。巷には情報が溢れ、あれやこれや振り回されます。明日下がるか明日上がるかを考えることは無意味です。

ならば、このカテゴリーの「三日市.comの投資」で書いているように、株はいずれ上昇するのだから、腰を据えて構えておけばよい。上昇したらしたでそれなりのプラスになる比率で保有し、下落したらしたで、ドローダウンで死なない感じで運用すればよい。

ドローダウンの調整さえしっかりできていれば、目先の収支で焦る必要はないのです。

今後はますますドローダウンの調整が大切になる

リスク管理とはドローダウンの管理に尽きます。そして多くの投資家や投機のトレーダーは、自分が必然的に負けることが計算式によって最初から決まっているレベルだと気が付いていない。

断言できますが、今後ドローダウンの管理がカギになるシーンは、ますます増えます。

デリバティブ系商品の台頭、アルゴリズム取引、そして今後、年金のキャッシュアウトが世界中で始まり、最大の流入先だった債権価格は、歴史的にみて長い下落ターンが始まる。ボラティリティが急上昇するシーンは、今後増えていきます。

リスク管理ができないまぐれ勝ちの投資家は、次々消えていくことになります。