ブラックロック 市場見通し2019年 4-6月期

世界で最も重要なレポートが更新されていました。
今回も私なりにまとめておきます。

ブラックロック日本法人サイト原文(日本法人のサイトなので日本語です)

市場のテーマは4つ

1.景気サイクルの終盤

2.政策当局の忍耐強い姿勢

3.中国経済の持ち直し

4.これらに変化が生まれたときの不確実性の高まり

●趣旨抜粋

経済成長はサイクル終盤であり、株式のファンダメンタルズは壁に直面するものの、各国政策当局の忍耐強い姿勢と中国の持ち直しにより、景気減速には至らず踏みとどまると予想。しかしバリュエーションが高まりボラが低くなっているのは、市場の慢心。

●メモ

慢心と言う言葉が何度か使われていましたが、本当にそうだと思う。実体経済が落ちているのに、実体経済がまだよかった去年よりも市場が楽観視しているのは危うい。

経済の減速局面で株式のパフォーマンスを維持している要因の一つが、政策当局の忍耐強い姿勢。これを新たなマーケットのテーマに加えたとのこと。しかしその効果が、すでに十分織り込まれたことは、リスクだとしています。つまり直近の株式の上昇は貧弱だとみているようです。

このレポートが出たのが4月1日で、実際このあと、先日やや強い下落がおきました。以前、トルコリラでも暴落ちょうど1か月ぐらい前にビタっと当てていました。さすがです。

中国経済にポジティブ

●趣旨抜粋

中国経済は底堅く、財政政策と金融政策の緩和により持ち直す。4-6月期以降、中国の経済成長が再加速する可能性が高いと確信を深める。サービス業ではすでに立ち直りが見られたが、貿易や製造業ではまだ改善していない。しかし数か月以内にサービス業意外のセクターも上向くと予想する。

●メモ

このポジティブな要因が、世界経済に波及するとしており、これが景気サイクル後期の不安を一時的に払拭するだろうとしています。そして興味深いことが書かれていました。以下引用です。

国際通貨基金(IMF)のデータに基づくブラックロックの計算によると、2011年以降、中国は世界の経済成長の約3分の1を占めてきました。しかし、中国が世界経済に及ぼす影響は依然として過小評価されています。消費者向けサービスが過小に報告されていることは、中国経済が、公式統計が示唆する規模を大幅に上回っている可能性があることを意味しています。他のデータからは、中国の景気の振れ幅がGDPが示すよりもはるかに大きいことが示唆されています。

つまり中国経済がもたらす世界経済への影響が、マーケットの認識よりも遥かに大きい可能性があるということです。そしてブラックロックのナウキャストと言う指標によると、最近の中国経済の落ち込みは、GDP指標が動いていないものの、2015年と2016年に匹敵していたとのことです。

ポートフォリオに弾力性を持たせておく

●趣旨抜粋

景気サイクル後半には株式のパフォーマンスが平均を上回るが、ボラが急上昇する事態をよく想定しておき、ポートフォリオに弾力性を持たせるべき。

●メモ

ここ数か月、時々書かれていましたが、より一層このことが強調されています。景気サイクル後半に株価のパフォーマンスが平均を上回る傾向というのは、1988年以降の「景気サイクル後半」に該当する28四半期のリターンを調査した結果だそうです。ただし新興国にはばらつきも大きいようです。

そしてリスクが目前に迫っているからこそ、ポートフォリオの最大ドローダウンをよく検討しておきなさいと、その許容範囲に応じて調整しておけと言ってます。これもまさにその通り、重要なことは本当にたったそれだけです。

他にも債券や原油についての記載もありますが、長くなるので今回はここまでで。