2019年3月21日 FOMCパウエル議長会見 質疑まとめ

経済状況の概要と委員会の決定

・米経済は良い
・雇用は強く賃金も健全
・堅調なペースで成長するが2018年より2019年は鈍化する
・政策のスタンスの変更については、模様眺めが適切

・1月に比べ2月は雇用が増えていない
しかし、新しい労働市場に入る人々に仕事を提供するには十分

・小売売上は1月に大幅に増えたが、全体としては鈍化しているとみられる
設備投資も鈍化しているとみられる

・インフレも抑制的、この傾向は数年続く。
・ブレグジットや米中貿易交渉が先行きを見通せなくしている

・現在の金利は中立であり適切、そして様子見が適切
・5月から縮小規模を減らし、9月に縮小を停止
・資産の保有量は再び増えていくかもしれない

数値見通し

・2019年成長率2%
・失業率4%下回る
・コアインフレ2%

質疑

●ワシトンポスト

Q.FOMCとしては、今起きてる状況(世界の経済懸念事案)にどの程度懸念しているか?バランスシートの縮小は、引き締めなのか?

A.前者については、全体としては肯定的に見ている。(家計、企業の信頼感、金融のひっ迫感の払拭など)後者については、バランスシートは適切だと思われる水準に戻す、これは二つの異なる政策である。

●CNBC

Q.世界の動向が米国に与える影響、GDP低下は影響しているのか?海外の弱さの原因は?

A.グローバル経済は、米国にとって追い風だったが減速していった。ヨーロッパのほうが大幅に減速している。世界経済の減速は米国にとって向かい風であり、米国は世界経済の一角。弱さの原因は複雑。中国は様々な措置を昨年末からとっている。最終的に安定し魅力的なものになるとみている。EUは弱いがまだ景気後退はしていない。関税については懸念している。

●不明
ウェルズファーゴの問題について質問 省略

●ブルームバーグラジオ

Q.10年債の利回りは下がった。利下げは?

A.まず基本的に、今私たちが明確に進むべき方向が決まるような状況ではない。経済成長などの見通しは、あくまでも良い見通しだ。リスク要因はまだ解決されていない。

●ニューヨークタイムズ

Q.1%以上、ホワイトハウスの見通しから低い予測を出している。なぜか?

A.ホワイトハウスの見通しはみていないが、成長率は、二つの要素からなる。働いた時間数と、労働生産性だ。労働参加率は、先進国の中では米国はかなり低い。労働参加率はさらに引き上げることができるとみている。生産性は中々あがらない。減税や財政支出は、昨年影響したが、それを正確に判断することは難しい。

●AP通信

Q.来年は利上げ一回とみられている。利下げの可能性は?

A.私たちが見ているデータを見ても、どちらの方向へ進むべきかはまだはっきりしない。だから見通しを辛抱強くみないといけない。

●オリティコ
省略

●ロイター通信

Q.米国経済の鈍化は一時的だと自信をもっているか?

A.家計支出に関しては、小売り売上が12月には非常に悪かったが、1月には反発しました。これは意外だった。消費はおそらく経済のファンダメンタルズに支えられているとみている。

●ウォールストリートジャーナル

Q.1998年、FRBが金融緩和をした。ナスダックのバブルが崩壊したためだが、現在金融政策が変わった。どのような懸念があるか?

A.現状は金融危機の直後とは大きく異なっている。金融安定性の脆弱性をもたらす要素は強くないとみている。しかし注意深く見ている。金融政策の安定性を達成する重要なツールは、マクロプロデンシャルなツールであり、最重要は金利だ。

Q.中立的な金利が低い状態において、資産価格の高騰というのは、FRBがマクロプロデンシャルなツールを使う必要はないのか?

A.我々の制度の中では、主に使うツールは、先ほど述べたもの。現在の金融機関は、自己資本率は高く、流動性は高い、金融危機前よりもずっと良い。だから安定性は高まっている。

●CNN

Q.大統領の予算案について、アメリカの債務は31兆ドル以上今後10年増えていく。アメリカはクレジット危機を心配しなくてはいけないのか?

A.我々はそれを見失ってはいけない。しかし債務危機が起こるとは私は予測できない。皆で考える必要がある。

●フィナンシャルタイムズ

Q.ブレグジットの問題が、FRBに与えた影響は?そしてバランスシートについては?

A.秩序ある形で解決することを望んでいる。我々が出来ることは、金融機関の監督業務において、イギリスやEUに支店のある機関について、離脱の影響を伝えることだ。当然、イギリスやEUの金融当局とも協議を行っている。バランスシートの規模はGDPの7割。絶対値は3兆5千億ドルとなるでしょう。

●マーケットウォッチ

Q.インフレ見通しは心配していないか?賃金が上がっていることがなぜインフレにつながらない?

A.賃金は2年ほど上昇しており健全な高いレベルだ。低賃金の労働者の間でも起きている。しかしこれはインフレとは話が別だ。2%に近付けば下がるという状況が続いている。私たちは辛抱強くなくてはいけない。

●テラジョーンズニュースワイヤー

Q.インフレが2%を下回るのは世界中の減少と思われます。この状態で政策立案者にはどういう課題があるのか?

A.インフレに下方圧力がかかるのは今の時代の課題だ。もっと想像的に、我々に何ができるか、意見を取り入れたいと思っている。

●フォックスビジネスネットワーク

Q.どういう状況で、利上げ、利下げの判断をするのか?

A.慎重にみていなかければいけない。今年は前向きな要因もある、ファンダメンタルズは強い。判断できるまで辛抱強く待つべきだとしか言えない。

●ブルームバーグ

Q.利益率が高いのに労働者に恩恵がもたらされない状況がどこまで続くか?

A.我々は報酬、賃金について大幅に上昇してきたとみている。(この後、賃金の上昇がイフレに悪影響を与えていると思われないという事と、思うということを通訳者さんが言っていて、何を言っているのかわからないです)

●マーケットプレイス

Q.ブレグジットに対して、米国の金融機関が準備していきたいと話していました。具体的に説明してください。

A.国際的な金融機関が、大きな損失を出さないか、私たちは毎年見極めています。様々なことが起きても、それに対処できる資金を持っている。だから準備出来ているとみている。しかし慎重にみなくてはいけない。

●アメリカンバンカー

Q.FRBは、メガバンク(?)の合併についてどう考えているか?

A.我々は業界について特定の意見をもつものではない。様々な銀行、役割がある。銀行が統合しより大きな資産カテゴリーになれば、規制はそれに合わせて規制も変更される。

●不明

Q.財政政策に影響を与えると思いますか?それとも、財政政策に応じて反応するのでしょうか?

A.私たちは財政政策について評価したり、過剰反応したりすることはない。私たちは現状の事実を見て見極める。

●フリー記者

Q.利回り曲線のフラット化は、バランスシートの戦略に影響を与えるか?

A.バランスシートにおける償還期間の多様性については、様々な会合において、真剣な議論をするようになった。最終的な判断については、まだ時間がかかる。

●マーケットニュース

Q.バランスシートがゆっくり増えることも認める可能性があるのか?

A.バランスシートの縮小は、9月30日に一度停止するが、その時バランスシートが充分ではないと考えるなら、徐々に、ゆっくりと増やす可能性もある。私たちにも9月30日以降のことはわからない。

●アクシオス
何度もでた重複質問なので省略

まとめ

全体としてはやはり、ブラックロックなどの見通しと近いですね。減速はするが、後退がすぐ起きるとは言えない。実体経済はそこそこ強い。中国経済についても、ポジティブな発言をパウエル議長がしたのは意外でした。あとバランスシートの規模に言及したのも印象的です。

ちなみに、ブラックロックも新興市場には同じように見ていますが。両者ともEUにはかなりネガティブな見解が目立ちます。

ブレグジットについては、さほど心配していないことを1月にも話しています。その理由を具体的に説明してくれと神質問をした記者がいますが、金融ショックに耐えるだけの資金があるから大丈夫という根拠。これは銀行危機が起きる前のおごりにも見えますね。ウォールストリートジャーナルの記者の質疑も興味深く、↑と通じます。